銅版画-ELEPHANT 象の風景(1978-1988)
この作品集は、僕の銅版画作品の中のエングレーヴィング作品です。ビュランと出会って10年、悪戦苦闘の日々でした。10年のまとめ、という意味と、次のステップのための区切りの作品です。これらの作品は1988年12月に銅版画集として用美社より刊行されました。
このホームページでは、そのうちの20点ほどを掲載しています。(無断転載、無断使用は著作権違反となりますので一切お断りします)
渡辺千尋
たとえば《象の風景》というタイトルについて、それほど深く詮索する必要はない。それはもしかしたら、「象のいる風景」のことかもしれないし、「象のような風景」のことかもしれないし、「象である風景」のことかもしれないだけのことだ。少なくとも我々は、そこから「象」を、もしくは「老いさらばえた象」を、いやもしかしたら、生物の種としてそうである象の「老い」そのものを、感じとることが出来る。そしてむしろ、何故そうなのかということの方が、不思議であると考えなければならないであろう。
別役実《象のメッセージ》より
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